公開: 2023年3月30日
更新: 2023年4月22日
識字率とは、文字で書かれた文章を読み、自分が考えたことを文章にして書き残すことができる人々が、人口のどれくらいを占めているかを示す率です。全ての人々が、文字での読み書きができれば、識字率は100パーセントになります。
日本では、ひらがなやカタカナがあるので、言葉を話すことができる人であれば、書き方、読み方を、少し学習すれば、漢字の読み書きを知らなくても、ひらがなだけを使って、読み書きができるようになります。このため、日本では、ヨーロッパの国々と比較すると、識字率が高くなります。
これに対して、ヨーロッパの国々では、文字のアルファベットだけを憶えても、個々の言葉をアルファベットを使って、どう書くのかの「つづり方」を憶えなければ、書かれた文章を読んだり、文章を書いたりすることはできません。このため、一般に、識字率は低くなります。
ヨーロッパの多くの書き言葉は、もともと教会で使われていた、ラテン語が基になっています。そのため、ラテン語を知らなかった一般の人々には、書き言葉を理解することは、本来、容易なことではありませんでした。このことが、ヨーロッパの社会で、識字率を低くする原因だったと言えます。